そして羽衣天女は神になった


 おとぎ話の「羽衣天女」の発祥の地として知られる丹後の「磯砂山」ですが、その羽衣天女が死して伊勢神宮外宮に祀られる「豊受大神」になったのをご存じですか?
はい、ご存じなくても大丈夫です。神話やおとぎ話の世界を真剣に考える必要はまったくありませんが、色々と空想することは楽しい事だと思いませんか。

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 丹後に伝わる羽衣伝説の要約はこうです。「磯砂の女池で水浴びをしていた天女の羽衣を隠し、天に帰れず困った天女を家に連れ帰った老夫婦は天女の働きでたいそう裕福になったのですが、ある日、お前は我が子でないと家を追い出したのです。途方に暮れた天女は船木の里にたどり着き、そこで生涯を終えたのです。村人はそれを哀れみ奈具神社に豊宇賀能売の命(豊受大神)として祀った」ということです。

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 天女が祀られている「奈具神社」は弥栄町船木にありますが、もとあった奈具村(旧船木村)は1441-1443年の大洪水で消失しているので、後の明治になってから建てられた物です。ちなみに、奈具神社の「なぐ」は、路頭に迷った天女が船木村にたどり着き、天女がこの地に来て「なぐしく成りぬ(心が安らかになりました)と言ったことから来ています。

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 奈具神社境内には五角柱の石碑があり、正面には天照皇太神「天照大神」の文字が刻まれています。この刻まれた神々との関係はよく分かりませんが、現代風にゆえば「お友達」ということでしょうか。
ちなみに、伊勢神宮の祭神「天照大神」の外宮として「豊受大神」があるのは、天照大神が一人では食事が安らかに出来ないと、五穀豊穣の神「豊受大神」を近くに呼び寄せたそうです。

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石碑に刻まれた「天照大神」以外の文字を調べたところ下記の様になりました。
大巳貴命(オオアナムチノミコト) 国土創造神 出雲大社
少彦名命(スクナビコナノミコト) 国造りの協力神
埴安姫命(ハニヤスヒメノミコト) 土器や煮炊き、運搬の神
倉稲魂命(ウカノミタマノミコト) 穀物の神 稲荷神社
これを見ると、お友達というより、国を治める総理(天照大神)をはじめ、国土交通省大臣や農林水産大臣と言ったところでしょうか。
でも、さすがにこの時代、デジタル庁にあたる神は無いようです。

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 神となった天女も生身の時は、羽衣を隠され困ったり、家を追い出され路頭に迷ったり、人間そのものですが、死して人々の心の中で共有された時、初めて神となるのですね。







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