丹後の大イチョウ・振宗寺の乳銀杏

丹後には大イチョウと呼ばれる巨木が多くあり、その中でも有名なのは寺領の山中にある観音堂の大銀杏です。
今回はその寺領の大銀杏へ向かう途中見かけた、大イチョウとして相応しい特性を持った伊根振宗寺のイチョウの木をクローズアップしてみます。

大イチョウがあるのは必ずと言っていいほど神社仏閣の境内です。その訳はイチョウの木は非常に燃え難く、葉っぱでさえも燃やすのは容易ではありません。そのため、火災から大切な社寺の建物を守るという願いを込めて植えられたのが始まりのようです。また、杖銀杏という伝説にもあるように、弘法大使が携えた杖を地面に刺したものが成長して大きな銀杏の木になったと言われるように、非常に位の高い霊木とされ、一般の民家に植えるのは良くないとされています。
そのほか銀杏には、逆さ銀杏、乳銀杏、子授け銀杏、泣き銀杏、お葉つき銀杏なと、多くの伝説が語られています。 その伝説の一つ、「乳銀杏」の元ともなったイチョウの特性が、伊根振宗寺の大イチョウにはしっかり現れていました。

イチョウの木は大木になると、ときに乳房状の気根のような物を作ります.。その乳房に似た形状から、乳の出ない女性がこれに祈願を掛ける習俗が全国的にあるようです。ここ振宗寺にそう言った言い伝えがあるかどうかは分かりませんが、いかにも乳が出そうな立派な気根でした。

こちらのイチョウは、本坂・八重垣神社の大イチョウ

薦池集落にある神社の大イチョウ

寺領集落入り口にあった大イチョウ

寺領・観音堂の大銀杏 さすがに風格があります。

ついでに、京丹後市のイチョウスポット、引原峠の大銀杏までドライブしてきました。
ここはライトアップもされ、鉄道がすぐ横を走っているので、イチョウの黄葉と車両のコラボを狙った鉄道マニアの撮影スポットとしても知られています。

ちなみに私のお気に入りスポットの日本冶金のイチョウ並木にも寄りましたが、こちらはすっかり葉を落とし、見頃は過ぎていました。 イチョウの黄葉について感じたことは、若い木ほど早く綺麗に黄葉し、巨樹と呼ばれる木は黄葉が遅い気がするのですが、気のせいでしょうか。